EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(96)

PBかBMか?

 IBMTR,とEuropean group for blood and marrow transplantationとの共同研究。6年以上の観察期間。無作為比較試験ではない。1995年から1996年に施行された造血細胞移植の生存413例を解析した。細胞源として、ドナ-に対してCD34を動員する目的でG-CSF投与後に採取したPB(末梢血141例)を用いるか、BM (骨髄液272例)を使用するかという議論。その判断をレシピエントの立場からの多面的な因子をもとに解析した。慢性骨髄性白血病(CML)では、初期の症例(early)と進行期例(advanced)とでは図に示すように成績が分かれた。つまり、初期の症例での移植の生存率はBMが良く、進行期ではPBが良好であった。



年齢40歳以上は慢性GVHDが有意に増加し、TRM(移植関連死亡率)が高い。再発については慢性GVHD合併例での再発が有意に低い。早期の急性白血病生存率は57%(PB)、54%(BM)と差はない。

コメント:この報告を確認するための大規模比較試験の追試が必要。

文献:Schmitz N et al. Long-term outcome of patients given transplants of mobilized blood or bone marrow: a report from the international bone marrow registry and the European group for blood and marrow transplantation. Blood 2006; 108:4288-4290