EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(95)

さい帯血移植とCMV

 さい帯血移植後のサイトメガロウイルス(CMV)感染症の初めての報告。
対象:1213例のさい帯血移植症例の報告。
結果:さい帯血移植後のCMV感染症は全体で23%。レシピエントのCMV血清抗体陽性群では下図のように41%。この感染頻度は従来の報告よりは低い。レシピエントのCMV血清抗体陰性群では8%と低値で2群間に有意差を認めた。



CMV感染例は
1.急性GVHD(grade Ⅲ-Ⅳ)の合併。
2.2次性生着不全のリスクが高い。
そして、CMV感染例の63%は血液検査で陽性となっただけであった。CMVが死亡原因となったのは693例中6.3%であった。

コメント:さい帯血移植後のCMV感染頻度が明らかに低い事が示された。

文献:Albano SM et al. Umbilical cord blood transplantation and cytomegalovirus: posttransplantation infection and donor screening. Blood 2006; 108:4275-4282.