今週のEBM,ナウ(94)
さい帯血細胞数が少なくても安全
移植時のさい帯血細胞数が多ければ、移植後の造血回復までの期間が短縮し、生存率も良いとされる。そこで、移植細胞数が2×107/kg未満の7例とさい帯血細胞数が2×107/kg以上である93例の2群間でのさい帯血造血細胞移植成績の検討。移植方法はすべてTBIが12Gyを基本にGVHD予防はCsA中心である。①造血の回復②TRM(移植関連死亡)-表参照-③標準リスク例の生存率を検討した。標準リスク時(寛解期)の移植例は移植細胞数が2×107/kg未満では2例、その2例とも移植後8ヵ月、29ヵ月と生存中。2×107/kg以上では寛解期移植が36例で、その生存率は95%であった。結論:移植細胞数が少なくても、TRMが29%と従来の造血細胞移植成績と同等であることから移植の安全性が確認された。今後の移植細胞源の選択肢の1つと考えられる。
コメント:さい帯血細胞数が少なくても、寛解期移植例では生存率が高く、勇気づけられる報告。
文献:Takahashi S. et al.
Posttransplantation engraftment and safety of cord blood transplantation with
grafts containing relatively low cell doses in adults. Int J Hematol 2006;
84:359-362. |