今週のEBM,ナウ(91)
さい帯血移植、Ph Ⅱ study
進行期の血液悪性疾患15例にさい帯血移植を施行(表)。このPh Ⅱ研究で使用するさい帯血は細胞数が2×107/Kg、(レシピエント体重)以上とした。移植適応例はHLA一致の兄弟やバンクドナ-がいないもの。移植前処置はTBI 12Gy+Fludarabine。多発性骨髄腫ではMelphalanとFludarabineである。年齢中央値は34歳。移植細胞数の平均は3.2×107/Kg、CD34数は1.0×105/Kg。移植時の寛解状態:寛解にて移植した6例中、2例が無病にて生存中。非寛解の9例は死亡。1年での移植関連死亡率は寛解例で50%、非寛解例で55%と有意差無し。この研究は早期の死亡例が多く、基準にしたがい中止された。
コメント:進行期症例に対するさい帯血移植は移植関連早期死亡率が高い。
ミニ移植を導入すれば、その死亡率が低下する可能性がある。
文献:Lekakis L. et al. Phase Ⅱ study of unrelated cord blood transplantation
for adults with high-risk hematologic malignancies. Bone Marrow Transplant
2006; 38:421-426 |