EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(88)

Ph陽性ALL治療

 92例のPh陽性急性リンパ性白血病(Ph+ ALL)のprospective多施設共同研究。GMALLプロトコ-ルで化学療法するPh+ALL群を2つに分け、寛解導入後からイマチニブを間欠的に投与する群(間欠投与群)と寛解導入開始と同時に継続して投与する群(継続投与群)とで寛解率等を比較した。



上の図に示すように完全寛解率に差を認めないが、遺伝子レベルでは明らかに継続投与群の寛解率が良好である。その後、両群とも77%が初回寛解期の同種移植を受けている。

コメント:これまでが予後不良のPh+ALLに対して画期的報告。

      Ph+ALLへのイマチニブ投与の国内認可は審議中。


文献:Wassmann B et al. Alternating versus concurrent schedules of imatinib and chemotherapy as front-line therapy for Philadelphia-positive acute lymphoblastic leukemia(Ph+ALL). Blood 2006; 108: 1469-1477.