今週のEBM,ナウ(86)
MDSに対するlenalidomide
染色体5q31欠失を有する骨髄異形成症候群(MDS)に対してlenalidomideを投与したところ、輸血を必要としなくなり、さらに細胞遺伝学的異常も改善したという画期的な報告(下表参照)。対象は148例のMDS。Lenalidomide
を3週間投与した後、4週休薬する。効果の認められた例では可能な限り繰り返し投与した。期間中の輸血は基準を設けて行った。24週投与後に骨髄染色体検査を再度施行した。The primary
end pointは血液学的反応(輸血の有無), the secondary end pointsは輸血不要期間-少なくとも8週間-など。
結果:輸血から離脱可能な症例は67%に達し、効果発現までは中央値で4.6週、そしてヘモグロビン値は投与前の平均7.8g/dLから13.4g/dLまで増加。有害事象は好中球減少が55%、血小板減少が44%に認められた。
コメント:サリドマイドアナログであるが、続報に期待したい。
文献:List a et al. Lenalidomide in the myelodysplastic syndrome with chromosome
5q deletion. N Engl J Med 2006; 355: 1456- 65. |