EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(83)

非寛解期AMLにさい帯血移植

 東大医科研からの報告。非寛解期AML(急性骨髄性白血病)は移植適応から除外されることが多かった。過去の報告では、移植してもその生存率が16-25%である。ところが、驚異的な成績が学会報告された(文献参照)。対象となる30例の年齢中央値は45歳、体重55Kg、AML14例、AML/MDSが16例。移植前の芽球数は数%から80%まで。移植は12GyTBI+AraC/G-CSF+CYの前処置で行い、GVHD予防はCsA+MTX。移植したさい帯血の細胞数平均は2.4x10E7/kg。生着は28例に確認。GVHDは53%に合併。移植後生存率は51.8%。再発は11例。複数の因子があるが、移植関連死亡率が低いことが良好な生存率の一因。なお、病型別の生存率はAML14例では42%、AML/MDS16例では60%であった。以上は口演発表からのまとめ。抄録とは症例数など、内容が一部異なります。



コメント:非常に勇気づけられる報告。他施設からの追試結果を待ちたい。

文献:大井 淳、高橋 聡 他。 非寛解期急性骨髄性白血病に対するさい帯血移植の成績。ワ-クショップ13-2. 2006年10月7日第68回日本血液学会総会、第48回日本臨床血液学会総会・合同総会抄録集198(1026)ペ-ジ。