今週のEBM,ナウ(76)
MDSにミニ移植
多施設の後方視的研究。従来の標準的移植方法である骨髄破壊的前処置による621例とミニ移植の215例を比較した。ドナ-はHLA一致の兄弟。 無病生存率では有意差無し(39% vs 33%)。ミニ移植群の再発率は高い(相対比1.64)が、非再発死亡率(相対比0.61)は低い。これはミニ移植例の多数が年齢50歳以上である(表参照)ことを考慮すると期待出来る成績である。さらに診断から6ヵ月以内に移植すれば、生存率が良好となる傾向もみられた。しかし、ミニ移植群での再発率が45%と高いため、従来の標準的移植方法の適応例(再発率27%)にはまだ、勧められない。Prospective
studyが必要。
コメント:高齢者MDSに対してミニ移植はひとつの選択肢となる。
文献:Martino R et al. Retrospective comparison of reduced-intensity conditioning
and conventional high-dose conditioning for allogeneic hematopoietic stem
cell transplantation using HLA-identical sibling donors in myelodysplastic
syndromes. Blood 2006; 108: 836-846. |