今週のEBM,ナウ(67)
ALLにリツキサン投与
通常の移植前処置方法(CY/TBI)にリツキサンを追加投与した。対象疾患はCD20陽性の急性リンパ性白血病(ALL)35例である。この研究の目的は、リツキサン追加により造血細胞移植後GVHD(移植片対宿主病)頻度を減少させ、かつ抗白血病効果を高めることにある。結果:Ⅱ度からⅣ度のGVHDは17%に減少。Ⅲ度からⅣ度では9%。2年無病生存率は38%、原病進行は29%、移植時初回寛解例は26%。一方、同時期に移植をうけた31例をcontrolとして比較すると、2年無病生存率は38%、原病進行は29%、移植時初回寛解例は54%。
結論:リツキサンを使用しない群とのmatched pair成績ではないため追試が必要。しかし、GVHD頻度は減少傾向である。いずれも有意差なし。ただし、移植前の初回寛解例(図、CR)は有意にstudy
groupで少ない。このため、生存率に有意差を認めない可能性がある。
コメント:この使用法は国内では未承認である。
文献:Kebriaei P et l. Allogeneic hematopoietic stem cell transplantation
after rituximab-containing myeloablative preparative regimen for acute
lymphoblastic leukemia. Bone Marrow Transplant 2006. 38:203-209. |