今週のEBM,ナウ(57)
ASCO REPORT 2006
イマチニブの5年 (Abstract#6506)
イマチニブは2001年に病気の細胞だけを狙う標的薬と紹介され(文献1)、その長期成績報告が待たれていた薬剤である。この抄録(文献2)によると553例の観察期間の中央値は54ヵ月で、全生存率は90%と驚くべき成績。従来の治療法では発病から5年目に確実に進行する病気であったが、93%は移行期や急性転化期へと進展していない。移行期/急性転化への進行率は1年目、2年目、3年目そして4年目でそれぞれ、1.5%、2.8%、1.6%そして1%未満と4年目で最も低い進行率を示した。以下の図に治療成績を示す。
結論:慢性骨髄性白血病に対するイマチニブの細胞遺伝学的有効性が明らかにされた。
文献 1.Druker BJ et al Efficacy and safety of the specific inhibitor of the BCR-ABL
tyrosine kinase in chronic myeloid leukemia. N Engl J Med 2001; 344: 1031-1037
2.Druker BJ et al. Long-term benefits of imatinib (IM) for patients newly
diagnosed with chronic myelogenous leukemia in chronic phase (CML-CP):
The 5-year update from the IRIS study. Journal of Clinical Oncology, 2006
ASCO Annual Meeting Proceedings Part I.Vol. 24, No. 18S (June 20 Supplement),
2006: #6506
|