今週のEBM,ナウ(55)
CMLの移植後再発の治療法
ドナーリンパ球輸注(DLI)は同種造血幹細胞移植後の再発慢性骨髄性白血病(CML)に有効である。しかし、メシル酸イマチニブも、同種造血幹細胞移植(HSCT)後の再発慢性骨髄性白血病(CML)に有効である。唯一欠点はイマチニブが長期の持続的な分子学的寛解を維持できるかどうかが不明な事である。移植後の再発時にDLIの提供が受けられず、イマチニブ単独で治療されたCML例の成績とドナーリンパ球輸注(DLI)を受けた例の成績とを後方視的(retrospective)に比較解析した。対象例は以下に。
結果:イマチニブ治療は再発率が有意に高く(10例中6例に再発。p=0.006)、leukemia-free survivalが有意に(p=0.016)劣っていた。
結論:イマチニブ単独治療ではHSCT後の再発治療には無理がある。
コメント:症例数を増やしてprospective studyが必要と著者は述べているが、倫理的に議論する必要もある。
文献:Weisser M et al. A comparison of donor lymphocyte infusions or imatinib for patients with
chronic myelogenous leukemia who have relapsed after allogeneic stem cell
transplantation. haematologica 2006;91:663-666. |