EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(50)

R-CHOP毎のpegfilgrastim単回投与

 この論文は未治療びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)において、pegfilgrastimによる支持療法を伴うrituximabとCHOP-14との併用(R-CHOP-14)の有用性と毒性を評価するものである。対象は年齢の中央値が55歳のDLBCL50例。化学療法回数は277サイクルで評価した。CHOPは14日毎に行われ、1日目にはrituximab(375mg/m2)、3日目にはpegfilgrastim(各サイクル6mg)が投与された。

 結果:完全寛解率は74%、2年生存率は68%であった。重大な有害事象は7例にみられた間質性肺炎。そのうちの3例はカリニ肺炎。理由はcotrimoxazole予防投与がなされていなかったため。

結論:DLBCLにおいて、R-CHOP毎のpegfilgrastim単回投与は、化学療法の予定期日通りの施行を可能とし(92%)、発熱性好中球減少症の頻度を僅か4%へと減少させた。

 コメント:pegfilgrastimは国内未承認薬のため、参考文献として紹介。

文献1.Brusamolino E et al. Dose-dense R-CHOP-14 supported by pegfilgrastim in patients with diffuse large B-cell lymphoma: a phase Ⅱ study of feasibility and toxicity. Haematologica  2006;91: 496-502.