今週のEBM,ナウ(49)
慢性骨髄性白血病移植後のモニタリング
CML(慢性骨髄性白血病)では造血細胞移植後の分子学的再発のモニタリング方法としてBCR-ABLのPCRによる追跡の有用性が高いことが知られている。243例の移植後CML症例に対して、移植後6ヵ月からBCR-ABL測定を末梢血にて開始し、定期的に最低5回の測定を行いその有用性を検討した。BCR-ABL測定結果から次の4群に分類された。
Ⅰ.常に陰性、14.8%がこれに相当。その後の再発は2.7%であった。
Ⅱ.低い値で変動、21%の症例。その後に20.8%が再発した。
Ⅲ.3回以上陽性、 11.1%。しかし再発基準に一致しない。その後の再発は30%。
Ⅳ.BCR-ABL測定で再発と判定、53.1%の症例。89.1%はdonor lymphocyte infusionにて
治療。
現在、243例中の220例が生存。
コメント:適切なPCRモニタリングが生存率の向上に寄与すると考えられる。
(文献)Kaeda J et al. Serial measurement of BCR-ABL transcripts in the peripheral
blood after allogeneic stem cell transplantation for chronic myeloid leukemia:
an attempt to define patients who may not require further therapy. Blood
2006;107: 4171-76. |