EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今月のEBM,ナウ(45)

Human Metapneumovirus(hMPV)とは?

 造血細胞移植後にみられる肺合併症はサイトメガロウイルス感染症が最も有名です。今回は新規に発見された呼吸器ウイルスであるhuman metapneumovirus (hMPV)について紹介します。このhMPV感染症は若年、高齢者の免疫能低下時にみられます。下気道感染症のため気管支肺胞洗浄液を採取した造血細胞移植後の163名中の5名がPCR法(polymerase chain reaction)にて陽性と診断されました。そのうち4名は死亡。症状は以下。



コメント:これまで、原因不明の「特発性肺炎」と考えられていた疾患の病態が明らかにされた。治療法が今後の課題である。

文献 Englund JE et al. Fatal human metapneumovirus infection in stem-cell transplant recipients.  Ann Intern Med. 2006; 144: 344-349.