今月のEBM,ナウ(38)
日本の移植事情
日本造血細胞移植学会、国内12年間の報告
1991年から2002年までの12年間に移植された国内14,255人のデ−タを解析。対象は初回移植例5488例。自家・同種・血縁・非血縁・骨髄・末梢血・臍帯血など。結果:
10年生存率 @急性リンパ性白血病(ALL)33.7%、A骨髄異形成症候群(MDS)37.3%、B急性骨髄性白血病(AML)は44.2%、C慢性骨髄性白血病(CML)53.3%、D再生不良性貧血(AA)72.5%。しかし、移植時期が寛解期における治療成績を検討すると@ALL39%-48%、AAML50-65%、BCML55-70%となる。移植適応があって、寛解時期に移植した生存率は良好である。
結論:移植前に国内治療成績を理解しておくことが必要。
コメント:昨年の総移植数は速報値で3000例を超えた。骨髄バンクを介した移植も過去最高の915例となった。善意の骨髄提供を有効利用するためには予め、移植治療成績を相互に理解し、もっとも、良い時期の移植が施行されるように今回の資料を利用したい。
文献1.Imamura M et al. Current status of hematopoietic cell transplantation
for adult patients with hematologic diseases and solid tumors in Japan.Int
J Hematol. 2006; 83:164-178. |