今週のEBM,ナウ(331)
-RIC HCT for AML/MDS in older patients-
(55歳以上に対する臍帯血ミニ移植)
目 的:兄弟ドナー群(MSD)38例と臍帯血移植群(UCB)60例の移植成績を比較した。
対 象:55歳以上の急性骨髄性白血病(AML),骨髄異形成症候群(MDS)。 診断から移植までの期間の中央値と移植時年齢はMSD群が7ヵ月、63歳。UCBは6ヵ月、61歳。AML70例はすべて寛解期移植、59%が初回寛解期。MDSではgood,intermediate,poor
riskがそれぞれ32%、21%そして46%であった。
結 果:primary endpointは生存率(OS),secondary endpointは無白血病生存率(LFS)とGVHD、再発、移植関連死亡率(TRM),好中球の生着率。 観察期間中央値は2.8年。 多変量解析によると、ドナーの種類はOS,LFS,再発そしてTRMに影響を与えない。 UCB群はリンパ球の回復がday28までは有意に遅延するがday60-100ではMSD群との間に差は認めない。
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MSD
(38例)
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UCB
(60例)
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3年生存率
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37%
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31%
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3年LFS
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34%
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22%
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2年再発率
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34%
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47%
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2年TRM
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25%
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25%
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2年慢性GVHD
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61%
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33%
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すべて2群間に有意差なし。
考察:兄弟ドナーのいない高齢のAML,MDS例では臍帯血ミニ移植は有用である。
コメント:IBMTR(EBM311,文献2)からのt-AML/MDSへの移植統計によるとDFSが21%。 生存の危険因子は1.35歳以上で2.ドナーが非血縁。 しかし、この対象は上記2つのリスクがありながら、OSが30%以上と注目に値する。
文献1.Majhail NS et al. Reduced-intensity hematopoietic cell transplantation
in older patients with AML/MDS: umbilical cord blood is a feasible option
for patients without HLA-matched sibling donors. Bone Marrow Transplantation
advance online publication. 23 May 2011; doi:10.1038/bmt.2011.114
文献2.Ritzow MR et al. Allogeneic transplantation for therapy-related myelodysplastic
syndrome and acute myeloid leukemia Blood 2010;115:1850-1857
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