EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(328)

-Outcomes of auto-SCT for lymphoma in subjects aged 70 years and over-

(70歳以上の移植)

目的:高齢者リンパ腫に対する自家移植の安全性の後方視的検討

対象:70歳以上17例、65から69歳の39例の2群間で比較検討した。

方法:非再発死亡率 (NRM)と自家移植後100日以内の合併症・全死亡率比較

結果:以下のように70歳以上は
    ①院内転落
    ②精神症状
    ③心不全
    のリスクが高い。
 NRMと院内転落の合併率に有意差を認めた。
 生存年の中央値は65~69歳が6年、70歳以上が2.6年



考察:米国の新規発病のリンパ腫は年間7万5千例。 50歳から64歳の症例数の2倍が65歳以上からの発病。 70歳以上でも治療可能であるが、非再発死亡率が高いことから治療選択は慎重に決断すべきである。

コメント:初めての65歳以上の移植成績。

文献 Andorsky DJ et al. Bone Marrow Transplantation advance online publication, 13 December 2010; doi:10.1038/bmt.2010.289