今週のEBM,ナウ(321)
-Long-term study of indolent adult T-cell leukemia-lymphoma-
(Indolent ATLLの長期予後)
目的:5年、10年そして15年までの生存率解析。 長崎大学からの報告。
対象:成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)、1974年から2003年の間に新規診断した90例、65例は慢性型、25例はくすぶり型。
結果:診断時年齢は52%が60歳以上、生存期間の中央値は4.1年。
90例における予後を単変量解析で比較すると以下の6項目に有意差を認めた(文献中、Table 2.参照)。
1.PS2以上
2.好中球数7500以上、
3.LDH高値、
4.節外病変3以上、
5.Potential prognostic factors(低アルブミン、LDH高値、BUN高値)が1つ以上、
6.化学療法を受けた群である。
化学療法を受けなかった78例だけの予後不良因子を多変量解析で解析したが何も抽出されず。
考察:化学療法、造血細胞移植そして新規薬剤による臨床研究に期待する。
コメント:予後改善のためには予後因子を基に層別化した治療戦略の確立が必要。
Takasaki Y et al. al. Long-term study of
indolent adultT-cellleukemia-lymphoma. Blood. 2010;115:4337-4343 |