EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(311)

-Allogeneic transplantation for t-AML/MDS-
(t-AML/MDSへの同種移植)

目 的:t-AML/MDSに対する移植成績をIBMTR資料から解析

対 象:1990年から2004年までの868例、t-AMLは63%、t-MDSが37%。 年齢の中央値が40歳(年齢幅は4~72歳)。 33か国からの登録症例。 生存者の観察中央期間は61か月。

結 果:77%は骨髄破壊的前処置、23%はいわゆるミニ移植。 血縁ドナ-からの移植が38%、非血縁者間が62%。 ミニ移植ではTRMは減少せず(デ-タ未提示)。



生存予想率は図のとおり。 
生存の危険因子は次の4項目:
 A.35歳以上
 B.予後不良の染色体異常あり
 C.移植時に非寛解
 D..非血縁ドナ―

以上の因子数が0であれば5年生存予想率は50%、1項目26%。 2項目21%、3項目10%、4項目4%であった。

考察:15年間の資料。 移植年度の解析では 生存率に差は認めず。 ミニ移植を選択した群のTRMが予想より減少しなかった理由は自家移植既往例が多いためか。

コメント:全体のDFSが21%と難治性。 危険因子をもとにした治療選択が必要。

文献1.Ritzow MR et al. Allogeneic transplantation for therapy-related myelodysplastic syndrome and acute myeloid leukemia Blood 2010;115:1850-1857