EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。 |
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今週のEBM,ナウ(308) -Prognostic scoring system of PMF- (骨髄線維症の予後スコアリング) 目的:PMFに対する新規治療として造血細胞移植やanti-JAK2標的治療などが期待されている。 今後の治療決定の拠り所として予後スコアリングシステムは欠かせない。 対象:7施設からの1054例。 “wait and see”が基本的治療方針。 111例は摘脾をうけ、7例は造血細胞移植を受けた。 結果:生存期間の中央値は5.7年(69か月)。 危険因子として4項目を抽出した。 1.年令65歳以上 2.臨床症状あり、(10%以上の体重減少、不明熱1か月以上など) 3.ヘモグロビン値<10.0g/dL 4.末梢血芽球>1% 以上の危険因子の数に従って生存期間を算定。 結果を次表に示す。 4つの群の生存曲線はそれぞれ重なる事なく明らかに判別可能(文献中Fig. 2)であった。
考察:過去に示されたLille score(Hb値と白血球数による3群分類)よりも群間生存率の判別がはっきりしている。 今回、染色体解析を加えなかった理由は症例自体に”dry tap”が多いため。 なお、解析できた範囲では+8 と12p欠失の予後が不良であった。 コメント:1000例以上の有益な解析。 文献:Cervantes F et al.New prognostic scoring system for primary myelofibrosis based on a study of the International Working Group for Myelofibrosis Research and Treatment. Blood. 2009; 113:2895-2901 |