EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(304)

-Allo-HSCT for AML patients with trisomy 8-
(8番染色体異常と同種移植)

目的:8番染色体異常を示すAMLの移植成績。 EBMT(欧州)からの報告。

対象:1990年から2007年に同種移植を受けたAML182例。

結果:観察期間の中央値が48ヶ月。
    5年非再発死亡は25%、
    再発率は30%、
    5年無白血病生存率は45%、
    全生存率は47%。
多変量解析によると予後良好因子として
 ①女性
 ②移植時に寛解である
 ③HLA一致血縁ドナ-
以上の3項目。
初回寛解期移植でHLA一致血縁ドナ-がいたら5年無白血病生存率は62%、
同じく初回寛解期でも非血縁ドナ-からのそれは35%。

考察:後方視的研究であるが、trisomy 8に対しての移植成績結果は予後中間群に近い。 参考まで、EBMTの集計では正常染色体を示した2956例の無白血病生存率は43%であった。

コメント:Trisomy8急性骨髄性白血病は移植の適応である。

文献:Chevallier P et al. Outcome after allogeneic transplantation for adult acute myeloid leukemia patients exhibiting isolated or associated trisomy 8 chromosomal abnormality: a survey on behalf of the ALWP of the EBMT. Bone Marrow Transplant 2009; 44:589–594.