EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(301)

-Herpes viruses and immunity after cord blood transplant-
(HHV6と骨髄生着)

 臍帯血移植ウイルス再活性化と造血幹細胞生着との関連を検討した論文。

目 的:臍帯血移植後のCMV、EBVそしてHHV6の再活性化を移植後9ヶ月まで検査。

対 象:非血縁者間移植(MUD)40例と臍帯血移植(CBT)15例との2群比較。

結 果:1..ウイルス再活性化について
        多変量解析によるとCBTと骨髄破壊的前処置による移植手技がHHV6のリスク因子。
        表ではMUD群よりもCBT群におけるHHV6再活性化が有意に高い。

     2.免疫学的構築
         CBT後3か月にはNK細胞がMUD群よりも増加。

   MUD CBT   P-value
年齢の中央値(歳)   52歳 49歳   NS
 HHV6再活性化  42.5%  80.0% 0.01 
 CMV再活性化  79%  60%  NS
 EBV再活性化  62%  27%  0.01
 生着率  97.5%  66.0%  0.001

考 察:CBTではHHV6のモニタリングが欠かせない。 さらに大規模研究が必要。

コメント:国内からの追試・続報に期待。

文献:Chevallier P et al. Human herpes virus 6 infection is a hallmark of cord blood transplant in adults and may participate to delayed engraftment: a comparison with matched unrelated donors as stem cell source. Bone Marrow Transplant 2009; 44:Advance online publication