今週のEBM,ナウ(297)
-Darbepoetin alfa for reduction of cardiovascular events-
(貧血治療薬の功罪)
Ⅱ型糖尿病と慢性腎疾患を有する貧血例へのdarbepoetin alfa投与成績。
対象: 年齢の中央値が68歳、4038例の貧血例。 2012名がdarbepoetin alfa投与群、2026名は偽薬群。
Primary end pointsは
1.死亡または
2.心血管系疾患の合併(致死的でない心筋梗塞、脳卒中、心不全、そして心筋虚血のための入院)そして
3.死亡や透析導入である。
結果:
1.すべての死亡と非致死的な心血管系疾患の合併は投与群で632例プラセボ群は602例で有意差なし。
2.すべての心血管系疾患の合併は有意差なし。 脳卒中だけとりあげると有意差あり。
3..死亡、透析導入は652例と618例で有意差なし。 赤血球輸血施行例は表のように投与群で有意に少ない。
考察:darbepoetin alfa投与によるprimary end pointsは2群間に差を認めない。 投与群では自己申告による自覚症状の倦怠感が改善した。
コメント:貧血改善薬剤のrisk,benefitを考えさせられる論文。
文献:Pfeffer MA et al. N Engl J Med 2009; 361. This article was published
on October 30, 2009, at NEJM.org.
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