EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(296)

-Allogeneic HSCT for pediatric Hodgkin lymophoma-

(ホジキン病への造血細胞移植)

再発/難治性のホジキン病、18歳以下、91例への造血細胞移植治療成績。

対象:年齢の中央値、13.5歳で診断されたホジキン病(HL)に対して年齢の中央値、16歳の時に造血細胞移植施行。 40例は骨髄破壊的前処置(MAC)を用い、51例は骨髄非破壊的前処置(RIC)にて行った。

結果:①5年再発率44%、無病生存率(PFS)30%、そして非再発死亡率(NRM)は26%。

    ②多変量解析によるPFSの危険因子は移植時のdisease status。

    ③再発率は移植年度と関係なく、RIC群で有意に高い。

    ④DLI(ドナ-リンパ球輸注)を12例に施行。 3例はpre-emptiveに施行され、1例が寛解、9例は病状進行のため施行し、1例のみ寛解。

考察:GVL効果が成人の報告より低いのは小児では慢性GVHD頻度が低いため。

コメント:pre-emptive DLIが今後の前向き研究課題ではないかと予想。

文献:Claviez A et al. Allogeneic hematopoietic stem cell transplantation in children and adolescents with recurrent and refractory Hodgkin lymphoma: an analysis of the European Group foe Blood and Marrow Transplanation. Blood 2009; 114: 2060-2067