今週のEBM,ナウ(284)
-Randomized trial of G-CSF in AML-
(急性骨髄性白血病とG-CSF)
成人急性骨髄性白血病(AML)に対する寛解導入後の支持療法に顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を使用することの有用性評価の無作為比較試験。 G-CSFまたはプラセボを、化学療法終了8日後から好中球が500/μLに回復するまで投与した。 対象は1994年から1997年までの803例。 背景因子に有意差なし。 好中球回復は、G-CSF群が有意に早く、(P
< 0.0001)、入院日数も2日間短縮したが感染回数などその他に有意差はない。 完全寛解(CR)率はG-CSF群が73%、プラセボ群が75%と同等。 5年全生存率は、G-CSF群では29%、プラセボ群では36%であった(P
= 0.10)。 15歳から39歳までの患者では、CR率(G-CSF群が81%、プラセボ群が93%、P = 0.006)が下表のように、G-CSF群において有意に低かった。
結論:G-CSF使用は好中球回復に有効だが、生存率向上には寄与しない。 その使用の判断は入院期間が短いこととG-CSFの費用とをどのように判断するかという経済的問題でもある。
コメント:有意差ありとはいえ、39歳以下の2群が81%、93%の寛解率は良好な成績と思われる。 気になる点として、FAB分類のM5だけがCR率に有意差がみられたこと(G-CSF群が66%、プラセボ群が89%、P
= 0.02、文献中TableⅣ)。
文献:Wheatley K,et al.Br J Haematol 2009 May 4. Epub ahead of print |