EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。 |
今週のEBM,ナウ(277) -Outcomes after auto-SCT with MM- (アフリカ系アメリカ人の自家移植成績) 対象はアフリカ系アメリカ人(AA)101例。 目的はAAにおける自家移植前後の複数項目による予後因子の解析。 白人とのmatch pair 解析も施行。 結果:多発性骨髄腫(MM)の診断のもとに3ヵ所の移植施設で自家移植を受け、移植後のPFS(progression free survival)中央値は15.6ヵ月、OS(overall survival) 中央値は50.8ヵ月。 既知の予後因子である染色体、B2M,寛解状態、性別、病期、免疫グロブリン型、移植までの期間、移植前の治療回数そして骨病変の有無などは生存率に差異を示さず。 移植後100日での移植関連死亡率は1%、移植後の寛解率は36%、診断から全生存期間中央値は60ヵ月。 上表のように、多変量解析では唯一、移植前の放射線治療があることがPFSとOSの予後不良因子。移植時に寛解状態であるとPFSが良好(HR=1.6,P=0.04、文献のTable.4)。 結論:既報では白人よりもAAの生存率が良好であるとされるが、今回の解析では白人よりもAAの生存率が低い。その理由は不明。今後は民族間の違いを明らかにする前方視的研究が必要。 コメント:多発性骨髄腫に認可された新規薬剤等により、移植前の寛解到達が増える事に期待。 文献: Khaled Y et al. Outcomes after auto-SCT in African Americans with multiple myeloma Bone Marrow Transplantation, advance online publication, 12 January 2009. |