EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(275)

-Nonmyeloablative allografting for myeloma-
(多発性骨髄腫へミニ移植)多施設研究

 EBM254関連の話題です。 イタリアの15施設の共同研究。 対象は未治療の65歳以下の多発性骨髄腫100例。 1999年から2005年の登録例。 治療はVAD後に自家移植施行し、その2-4ヵ月後にHLA一致の血縁ドナ-からTBI200Gyの前処置でミニ移植施行。 プロトコ-ルを完遂したのは96例。 成績:EFS(event free survival)の中央値は2.9年。 全生存率の中央値にはいまだ、達せず。 下図(Fig 3)は上段が全生存率、中央は現在の無進行生存率(再発後の再寛解例も生存と評価する)そして最下段が標準的な移植後無病生存率。 96例中、移植後51名が寛解達成し、現在は37名が持続した寛解状態です。



多変量解析では移植前の完全寛解と年齢が予後良好因子。 慢性GVHD合併は予後との関係を証明できませんでした。 非再発死亡率(non relapse mortality)は11%。

結論:この研究ではサリドマイドやボルテゾミブ未使用のため、次の研究が待たれる。

コメント:再発を待たずに、同種移植へとすすむ事が有用。

文献:Bruno B et al. Nonmyeloablative allografting for newly diagnosed multiple myeloma: the experience of the Gruppo Italiano Trapianti di Midollo. Blood 2009;113:3375-3382