今週のEBM,ナウ(272)
-Unrelated CBT for adult ALL-
(ALLに対するさい帯血移植成績)
年齢の中央値36歳の成人急性リンパ性白血病(ALL)に対して骨髄破壊的な12GyTBI前処置を含むさい帯血移植を8年間で27例施行。
結果:輸注さい帯血有核細胞数の中央値は2.47x107/Kg。
好中球500以上と血小板数5万以上の生着にはそれぞれ21日、48日を要した。
急性GVHDⅡ度の累積頻度は移植後100日で63.6%。
慢性GVHD累積頻度は74.1%。
5年無イベント生存率(Event free survival)は57.2%。
5年累積のTRM(移植関連死亡率)はわずか3.7%で再発率は27.4%でした。
死亡例は7例。5例が再発による死亡、1例は肝静脈閉塞症、そして1例はドナ-由来の骨髄異形成症候群(移植後444日)にて死亡した。
上記の観察期間中央値は47ヵ月。
結論: ALLへのさい帯血移植はTRMが低く、安全で有効な治療法である。
コメント:難治性とされる成人急性リンパ性白血病の生存率が50%を超えた価値ある報告。
文献:Ooi J et al. Unrelated cord blood transplantation after myeloablative
conditioning in adults with ALL. Bone Marrow Transplant. 2009;43:455-459. |