今週のEBM,ナウ(264)
-Efficacy of Nilotinib in Ph+ CML-CP-
(2008アメリカ血液学会抄録から:ニロチニブ効果)
イマチニブの約30倍の効果があるとされるニロチニブの第Ⅱ相試験。 平成21年1月に国内承認された本剤(タシグナ)は「イマチニブ抵抗性の慢性期または移行期の慢性骨髄性白血病(CML)」が適応症。 ここで紹介する2008年12月のアメリカ血液学会抄録(#446)では未治療慢性期のCML49例に第一選択薬としてニロチニブ投与し(400mgを2回/日)、12ヵ月後の効果と安全性を検証した。 有害事象のための一時的投与中断は36%にみられ、32%の例で投与量を減じる必要性があった。 血小板減少10%、好中球減少12%、そして貧血が2%。 血清ビリルビン値増加が8%、リパ-ゼ上昇は6%に発現。 有効性は図に示すようにhistorical controlのイマチニブと比較して、CcyR%に明らかな有意差を認めた。 2年Event free survivalは95%。
結論:投与から3ヵ月でほぼ全例での有効性が明らか。
コメント:血液関連の有害事象は有効性と表裏一体と思われます。ビリルビン増加は原因不明。
文献:Cortes J. et al. Efficacy of Nilotinib (formerly AMN107) in patients
(Pts) with newly diagnosed, previously untreated Philadelphia chromosome
(Ph)-positive chronic myelogenous leukemia in early chronic phase (CML-CP)Abstract
#446 appears in Blood. volume112: 2008. |