今週のEBM,ナウ(258)
-Bortezomib関連話題(3)-
(アメリカ血液学会抄録から:多発性骨髄腫の治療)
未治療の多発性骨髄腫への治療薬剤の併用候補としてEBM252ではBortezomibとthalidomideの併用有無における比較が報告され、同様にEBM255ではBortezomibとmelphalanの併用有無の群間比較でした(VISTA
study)。 今回は65歳以上の新規に診断された多発性骨髄腫においてBortezomib、melphalan そしてprednisone(VMP)対Bortezomib,thalidomide そしてprednisone
(VTP)投与成績です。 つまり、Bortezomibと組み合わせる薬剤はアルキル化剤(melphalan)と免疫調節剤(thalidomide)とのどちらがよいかという研究です。 Primary
endpointはoverall response rate(ORR)です。 表にみるように寛解率など2群間に差を認めません。 血液毒性としては骨髄抑制がVMP群に強く、心臓毒性がVTP群に多くみられます。 したがって、治療中断例などを総合するとthalidomideとの併用は好ましくなく、その他のlenalidomide等との併用効果研究が待たれます。
コメント:いずれの研究でもあきらかなように薬剤だけでの完全寛解率はまだ低い。
文献: Mateos M-V et al.. Bortezomib (Velcade)-Melphalan-Prednisone (VMP)
versus Velcade- Thalidomide-Prednisone (VTP) in elderly untreated multiple
myeloma patients: Which Is the best partner for velcade: an alkylating
or an immunomodulator agent? Abstract #651 appears in Blood. volume112:
2008. |