EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(255)

-Bortezomib関連話題(2)-

(アメリカ血液学会抄録:VISTA研究)

 欧州、南北アメリカそしてアジアの共同研究による第3相試験の報告(VISTA研究;Velcade as Initial Standard Therapy in multiple myeloma Assessment with melphalan and prednisone(VISTA) trial)。 682例の年齢中央値は71歳、追跡期間中央値は25.9ヵ月。 344例がVMP投与群、338例はMP群です。 下図のようにVMP群の有意性が認められました。



再発のため、VMP、MP両群でそれぞれ38%、57%が次の化学療法を受けています。
Velcade投与を受けたのは16%、43%です。 49%、44%はthalidomide,そして19%、6%はlenalidomideでした。 VMP群に認められた末梢神経障害は2-6ヵ月の間に消失。 以上からVMPは認容性があり生存期間の延長に有用です。

コメント:完治のためには70歳以上でも安全な移植療法の開発が必要。

文献1:San Miguel JF et al.  Updated follow-up and results of subsequent therapy in the phase Ⅲ VISTA trial: Bortezomib plus melphalan-prednisone versus melphalan-prednisone in newly diagnosed multiple myeloma. Abstract # 650  appears in Blood. volume112: 2008.