EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(252)

-Bortezomib関連話題(1)-
(アメリカ血液学会抄録から:多発性骨髄腫の治療)

 イタリアのグル-プ(GIMEMA  network)から第3相試験の報告。
 新規に診断された多発性骨髄腫399例の治療方法を以下の2群に分けた。
  1.Velcade-Thalidomide- Dexamethasone (VTD)
  2.Thalidomide-Dexamethasone(TD)。
 治療後に65歳以下の症例では自家移植を施行。
 Primary endpointは寛解率。
 治療毒性と自家移植後の寛解をsecondary endpointsとした。
 下表のようにVTD群はTD群よりも寛解率が有意差をもって良好。
 追跡期間の中央値は15ヵ月。
 結論:VTD治療は初回治療および移植後の治療成績向上に有用。



コメント:最終的な効果判定には約3年程度の追跡期間が必要。

文献:Cavo M et al. Superior complete response rate and progression-free survival after autologous transplantation with up-front Velcade-Thalidomide- Dexamethasone compared with Thalidomide-Dexamethasone in newly diagnosed multiple myeloma. Abstract #158 appears in Blood. volume112: 2008.