今週のEBM,ナウ(250)
-JALSG AML97 study-
(アメリカ血液学会抄録から:急性骨髄性白血病への同種移植)
日本のJALSGからの急性骨髄性白血病(AML)への同種移植成績。
対象は15歳から50歳までの未治療のAML503例。
1997年から2001年までの登録。
397例が寛解達成。
寛解例における5年全生存率はリスク順に (good, intermediate and poor) 68%、43%、そして29%。
寛解後にintermediate と poor risk群に対する治療として
血縁ドナ-がいたら同種移植する群(donor group)と
ドナ-がいないために化学療法継続する群(no-donor group)間で治療成績を比較した。
下表のように、donor groupの生存率が有意に良好であったのは、DFS(無病生存率)と36歳以上のOS(全生存率)。
TRM(治療関連死亡)では差を認めず、再発率がdonor groupに有意に低い。
結論:移植は36歳からのintermediate and poor risk症例の生存率向上に寄与している。
コメント:有意差があるので、次は非血縁ドナ-による移植成績に期待したい。
文献:Sakamaki H et al. Allogeneic stem cell transplantation (Allo-SCT) in
adults with acute myelogenous leukemia (AML). Final analysis of JALSG AML97
study. Abstract #347 appears in Blood. volume112: 2008. |