EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。 |
今週のEBM,ナウ(247) -Thalidomide for untreated elderly myeloma- (高齢者多発性骨髄腫へのサリドマイド) 骨髄腫に対する従来の治療方法であるMPとサリドマイドを加えたMPT療法との比較。 対象は65歳以上、primary endpointsは寛解率とPFS(progression free survival)。 2群の年齢中央値は両群ともに72歳、その他の背景因子に差はありません。 追跡期間の中央値は167例のMPT群が38.4ヵ月 そして164例のMT群では37.7ヵ月。 完全寛解率は15.6%と3.7%(P<0.001)。 病状進行までの期間の中央値は24.7ヵ月、15ヵ月(P<0.001)。 MP群ではsalvage(救済)療法の成績がよいため、下図の上段に示すように全生存期間中央値では両群に差を認めません。 しかし、下図の下段のようにPFS中央値ではMPT療法が良好で有意差が認められました。 結論:2群間の全生存率(OS)では有意差を認めない。 コメント:2008年10月に厚労省が承認し、年内に国内でのサリドマイド販売再開の見込みです。 文献1: Palumbo A et al. Oral melphalan, prednisone, and thalidomide in elderly patients with multiple myeloma: updated results of a randomized controlled trial. Blood 2008;112:3107-3114. |