EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。 |
今週のEBM,ナウ(246) -Long-term follow-up results of IFM99-03 and IFM99-04- (長期観察結果:多発性骨髄腫への移植) Correspondenceです。フランスのグル-プから2006年(文献1)に報告されたIFM99-03:自家移植後のミニ移植群とIFM99-04:2回自家移植群の2008年7月現在の追跡結果が明らかにされました(文献2)。 追跡観察期間の中央値は56ヵ月、2群間にEFS(Event-free survival)の差は認めません。 しかし、全生存率 (OS:Overall survival)はIFM99-04が生存期間中央値48ヵ月、IFM99-03では34ヵ月と有意差はP=0.07と認めませんが、IFM99-04群の生存期間が長い傾向を示しました。 上記IFM studyはhigh-risk(β2MG高値、13番染色体異常を有する)でかつ移植前処置に大量のATG投与があるため、いわゆるGVM(graft versus myeloma)効果が出にくかった可能性があります。 すでに北米と欧州とで終了したphase3のtrialである1回の自家移植とミニ移植との比較試験の結果に興味があるところです。 結論:今後は骨髄腫の上記以外の症例:標準的なリスクで化学療法の効果がある例でのミニ移植プロトコ-ルに関心が持たれます。 コメント: IFMの対象例がhigh riskのため、EBM245と同じように比較できません。 文献1: Garban F et al. Prospective comparison of autologous stem cell transplantation followed by dose-reduced allograft(IFM99-03 trial) with tandem autologous stem cell transplantation (IFM99-04 trial) in high-risk de novo multiple myeloma. Blood 2006;107:3474-3480. 文献2: Moreau P et al. Long-term follow-up results of IFM99-03 and IFM99-04 trials comparing nonmyeloablative allotransplantation with autologous transplantation in high-risk de novo multiple myeloma. Blood 2008;112:3914-3915. |