EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(244)

-HHV-6B and CMV with aGVHD-
(急性GVHD頻度とHHV-6B感染は相関あり)

 同種骨髄移植後のウイルス感染と急性GVHD(移植片対宿主病)合併との相関について検討した中国からの論文。 対象は2004年5月から2005年6月までに移植を受けた72例。 基礎疾患は図のとおり。



サイトメガロウイルス(CMV)はCMV pp65抗原血症で確認し、HHV-6BはPCR法にて検査。HHV-6B陽性化頻度は47%,陽性化時期は移植後の中央値day21。CMV陽性化頻度は65%,陽性の中央値は移植後day43。そして急性GVHDⅠ-Ⅳ頻度は55%でそれは移植後中央値day26に発現。急性GVHDⅡ-Ⅳとウイルス再活性化との相関を検討すると移植後30日までにHHV-6B陽性例は有意に急性GVHDⅡ-Ⅳに進展する(HR=8.9、文献のTable 2)。

結論:CMVよりもHHV-6Bの移植後のモニタリングがaGVHD対策として必要。

コメント:aGVHD発現にCMVよりもHHV-6B感染の関与があることを明らかにした報告。

文献:Wang L-R et al.  Correlations of human herpesvirus 6B and CMV infection with acute GVHD in recipients of allogeneic haematopoietic stem cell transplantation. Bone Marrow Transplant  2008;42:673-677.