EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(236)

-Similar and promising outcomes in lymphoma patients treated with MA or NMA-
(高齢リンパ腫にミニ移植の期待)

 EBM235における同一対象例の生存率比較の文献です。
 2群間で有意差がみられたのは
  ①MA群にNHLが多い、
  ②NMA群に自家移植を受けた症例が多い、
  ③さい帯血移植例がNMA群43%でMA群は9%、
  ④診断から移植まではNMA群30ヵ月でMA群は16ヵ月。
 再発頻度はNMA群で有意に高く、移植関連死亡がMA群では多い事が明らか。
 しかし、全体の4年全生存率は48%。2群間では49%、46%と同一。



結論:慢性GVHDがMA群よりもNMA群で2倍多く、これはGVL(移植片対リンパ腫)効果と想定されます。 しかし、再発を防げていないことは問題です。 これを解明するには、今後の前方視的臨床研究が必要です。

コメント:高齢者へのさい帯血ミニ移植の有用性が示された。

文献:Tomblyn M et al. Similar and promising outcomes in lymphoma patients treated with myeloablative or nonmyeloablative conditioning andallogeneic ehmatopoietic cell transplantation. Biol Blood Marrow Transplant 2008;14:538-545.