EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。 |
今週のEBM,ナウ(235) -Infections after allotransplantation for lymphoma- (ミニ移植後の感染症頻度) 移植前処置の違う2群間で、感染合併頻度について比較しました。 対象は141例の悪性リンパ腫。 65例は従来のMA(骨髄破壊的前処置)による移植、 76例はNMA(ミニ移植)です。 年齢の中央値はMA群42歳、NMA群48歳と有意差があります。 第2寛解期以後の症例がそれぞれ77%、81%です。 下図のように、1年感染関連死亡率は有意にNMA群で低く、細菌感染の頻度も同様にNMA群で有意に低値でした。 とくに、生着前の感染頻度(移植後day0から30)は2群間で2倍以上の差が認められました。 細菌感染の危険因子は ①MA群、 ②非血縁者からの骨髄移植、 ウイルス感染の危険因子は ①非血縁者からの骨髄移植、 ②Ⅲ-Ⅳ度急性GVHD合併例、 ③CMV陽性レシピエント そして、真菌感染の危険因子は①非血縁者からの骨髄移植でした。 結論:細菌感染の頻度は、MA群よりもNMA群が有意に低い。 コメント:移植後再発がNMA群の欠点。その結果、2群間生存率に差はない(EBM236)。 文献:Bachanova V et al.Fewer infections and lower infection-related mortality following non-myeloablative versus myeloablative conditioning for allotransplantation of patients with lymphoma. Bone Marrow Transplant 2008. advance online publication. |