EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(232)

-Unrelated cord blood transplant in Australia and New Zealand-
(小児へのさい帯血移植)

 AustraliaとNew Zealandにて10年間に施行された18歳以下の評価可能な130例のさい帯血移植成績です。
 さい帯血の有利な点は
  ①迅速に利用でき、
  ②ドナ-への麻酔などのリスクが無く、
  ③ウイルス感染の危険が少ない
 など多くありますが、欠点として生着が遅延することが問題化されています。
130例における輸注CD34細胞数の中央値は1.9x10/Kg。 図に示しますように好中球の生着(Engraftment)率も良好。 その生着中央値は23日。 輸注CD34が1.7x10/Kg以上の群では好中球の生着率は93%、それ未満の群では85%と有意差(P=0.004)を認め、生着までの日数は18日と26日でこれも有意差(P=0.008)があります。



結論:CD34数が1.7x10/Kg以上であれば良好な生着が期待できます。

コメント:さい帯血移植では十分量のCD34を確保することが生着遅延を解決する。

文献:Petterson TE et al. Outcome following unrelated cord blood transplant in 136 patients with malignant and non-malignant diseases:a report from the Australian and New Zealand children’s haematology and oncology group. Bone Marrow Transplant 2008 advance online publication.