EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(226)

-Initial treatment of multiple myeloma-
(多発性骨髄腫の初期治療)

 大量化学療法の適応ではない65歳以上または全身状態の良くない多発性骨髄腫に対して標準治療とされるMP療法(メルファラン+プレドニン)投与に加えてボルテゾミブを併用した群と非併用群(コントロ-ル群)とでrandomized(1:1) open-labelの第3相試験を行いました。 投薬方法は原文参照ください。 22カ国151の施設が参加。 2004年から2006年の登録です。 主要エンドポイントは無病増悪生存期間です。 338例がコントロ-ル群、344例が併用群です。 年齢の中央値は71歳、その他の背景因子について、2群間に差はありません。 下図のように併用群で24ヵ月と生存期間の延長が認められました。 なお、完全寛解率は併用群、コントロ-ル群でそれぞれ30%、4%でした(P<0.001)。 併用群では次の化学療法への開始中央値がnot reachedですが、コントロ-ル群では20.8ヵ月であるため2群間に有意差を認めます(P<0.001)。 

結論:この併用療法は65歳以上の多発性骨髄腫への第一選択肢となります。



コメント:5年程度の長期観察後の生存率報告が待たれます。

文献:San Miguel et al. Bortezomib plus melphalan and prednisone for initial treatment of multiple myeloma. N Engl J Med 2008;359:906-17