EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(221)

-Maternal vs paternal donors in Haplo-HSCT-
T細胞除去した幹細胞を輸注、移植後は免疫抑制剤を投与しない)

 サプライズの文献です。 まず、移植後に免疫抑制剤を投与しないと言うことに驚かされます。
 対象は118例の急性白血病に対する親からの
HLA半合致移植です。
 ドナ-は父親が71例、
     母親が47例。
 ドナ-の年齢中央値は45歳、
 レシピエントのそれは18歳。

 Primary endpoint

  ①
EFS(event free survival)
  ②
TRM(移植関連死亡)
  ③
RM(再発死亡)です。
 5年
EFS
  母親ドナ-が50.6%、
  父親では11.1%、
  
P<0.001。
 
TRM
  母親ドナ-が26.6%、
  父親では42.3%有意差無し。
 
RM
  母親ドナ-が22.7%、
  父親では46.5%、
  
P=0.01。
 下図は寛解期移植成績が良好であることを示したものです。




コメント:画期的な報告。118例の5年EFSが27.8%と低い事が残念です。移植時に再発例が43%と多いのが一因かもしれません。

文献:Stern M et al.Survival after T-cell depleted haploidentical stem cell transplantation is improved using the mother as donor. Blood 2008; 112: 2990-2995