EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。 |
今週のEBM,ナウ(212) -hMPV infection in HSCT recipients- (移植後hMPV感染頻度は?) EBM45で紹介したhMPVの3年間の感染頻度報告です。 Brazilで2003年までの3年間に同種移植を受けた153例における228回の呼吸器感染症状を呈した鼻腔洗浄液を検体として用い、PCR法にて測定しました。 陽性例は11例、その頻度は7.2%です。 通年性ウイルスですが、9月から3月に7例、4月から8月には4例と冬から春に多い傾向があります。 HMPVの検出時期は移植前処置中に2名。移植後3ヵ月以内が7名。 3ヵ月以後1年内に2名でした。 文献2では3回目の同種移植後7日目のウイルス感染です。 上述のように移植後3ヵ月以内の免疫能低下時期に検出されることが多く、予防対策が必要です。 ribavirinがこのウイルスに有効とのコメントも(文献2)ありますが、今後の課題です。 コメント:鼻風邪様症状が見られたら迅速診断も必要ですが、予防がもっと大事。 文献1:Oliveira RR et al. Frequency of human metapneumovirus infection in hematopoietic SCT recipients during 3 consecutive years. Bone Marrow Transplant 2008; advance online publication. 文献2:Cane PA et al. Human metapneumovirus in a haematopoietic stem cell transplant recipient with fatal lower respiratory tract disease. Bone Marrow Transplant 2003,31:309-310 |