今週のEBM,ナウ(210)
Relapse after allogeneic transplantation in
myeloma
(移植後髄外再発と予後)
多発性骨髄腫へのミニ移植後に髄外再発した時の予後は不良であるとの論文があります。 そこで、7施設から172例の多発性骨髄腫への移植例を集め解析を行いました。
オランダからの報告。移植後の髄外再発例は54例、20.4%です。 染色体異常(del 13)のある例はそうでない例よりも高頻度に髄外再発しています(30.8% vs 5.8%, P=0.06, 有意差なし)。 再発に対する治療はDLI(ドナ-リンパ球輸注)、放射線、化学療法そして新規薬剤などです。 髄外再発11例の治療効果は45.5%、髄外再発のない例では54.1%と両者に差は認めません。 つまり、多発性骨髄腫へのミニ移植後の髄外再発への治療効果はその他の再発タイプ例と同等で必ずしも予後不良とは言えません。
コメント:EBM139,EBM180も参考になります。
文献1:Minnema MC et al. Extramedullary relapses after allogeneic non-myeloablative
stem cell transplantation in multiple myeloma patients do not negatively
affect treatment outcome. Bone Marrow Transplant 2008;41:779-784. |