今月のEBM,ナウ(20)
移植医療経済
ミニ移植の医療費もミニ?
従来の骨髄破壊的前処置(MAST; myeloablativbe stem cell transplant、12例で年齢の中央値が39歳)による移植方法とミニ移植(RIST;
reduced intensity stem cell transplant、11例で年齢の中央値が58歳)との2群間で医療費の比較検討を後方視的に行ったフランスからの報告です。対象はHLA一致同胞からの急性骨髄性白血病に対する造血幹細胞移植です。図1.のように移植後6ヵ月まではRISTの医療費が低く(有意差なし)、その後から12ヵ月まではMASTの医療費が低い(有意差あり、P=0.03)。
その理由は、ミニ移植(RIST)において後期合併症が多く、結果として差を見いだせなかったとなります。この研究は年齢層が明らかに違い、純然たる比較試験ではないことが欠点です。今後の検討が必要と思われます。
結論として移植医療費は2群間で差がない。
文献 Cordonnier C. et al Do minitransplants have minicosts? A cost
comparison between myeloablative and nonmyeloablative stem cell transplant
in patients with acute leukemia. Bone Marrow Transplant 2005; 36: 649-654.
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