EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。 |
今週のEBM,ナウ(202) -Complete molecular responses in CML- (CMLミニ移植の分子遺伝学的評価) イマチニブ(IM, Imachinib)による治療開始後にHLA一致の兄弟ドナ-を有する15例のCMLに対してreduced intensity stem cell transplantation (RISCT、ミニ移植) を施行。 移植はPh染色体が完全消失後の6ヵ月から12ヵ月の間に施行。 移植6ヵ月後からドナ-リンパ球輸注(DLI)を実施。 15例中8例(53%、下図中段)においてBCR/ABLが検出できない程にまで減少。 観察期間中央値31ヵ月にて1例死亡し14例は生存中。 IM単独でのBCR/ ABLの消失率は5年で49%(文献2、Fig 3B)。 骨髄破壊的前処置(MAC)による移植ではBCR/ ABLの消失率は71%(下図上段)。 下図は3つの文献をまとめたもので同一プロトコ-ルでの比較ではありません。 下図に示すようにMACによる移植がBCR/ ABLの消失率が高く有用です。 しかし、現時点でのCML治療のfirst-line治療はドナ-の有無に左右されずかつTRMのriskの少ないイマチニブ投与となります。 しかし、下図中段に示すようにRISCTによるBCR/ ABLの消失効果はイマチニブ投与群に近く、移植後の長期内服治療も不要ですので、医療経済効果やQOLの面からみるとRISCTも選択肢のひとつです。 コメント:ミニ移植(RISCT)はCML治療の選択肢のひとつです。 文献1:Heaney NB et al. Complete molecular responses are achieved after reduced intensity stem cell transplantation and donor lymphocyte infusion in chronic myeloid leukemia. Blood.2008; 111: 5252-5255. 文献2:Druker BJ et al. Five-year follow-up of patients receiving imatinib for chronic myeloid leukemia. N Engl J Med 2006; 355:2408-2417. 文献3:Hehlmann R et al. Drug treatment is superior to allografting as first-line therapy in chronic myeloid leukemia. Blood 2007; 109: 4686-4692. |