EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今月のEBM,ナウ(19)

「移植材料が違っても造血細胞移植」
  ---国内の移植統計2005年2月集計。


 造血細胞移植では1.骨髄液(血縁者・骨髄バンク)2. G-CSFで動員された末梢血幹細胞3.さい帯血4.その他、純化細胞等と多様です。移植材料が違っても、その中には共通して造血幹細胞(CD34陽性細胞)が一定量以上存在します。この材料の多様性が他の臓器移植との大きな違いです。図(文献1)にはこの材料別(細胞源として以下。BM-SIB;兄弟間骨髄、PB-SIB;兄弟間末梢血幹細胞、CB;さい帯血、BM-MUD;非血縁者間骨髄)の年間症例数を示します。2003年度の統計では、多い順に@骨髄バンクAさい帯血B兄弟からの末梢血C兄弟からの骨髄です。大きな変化はさい帯血が急増し2番目に多くなっていることです。これはドナ−がほとんどと言って良いくらい見つかるからです。

結論:今まで、ドナ−が見つからなかった症例もさい帯血を用いての移植が可能となり、移植例の増加が予想される




文献1.「日本造血細胞移植学会 平成16年度 全国調査報告書」 全国デ−タ集計事務局。2005年2月