EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。 |
今週のEBM,ナウ(199) Prophylactic DLI in adult ALL (ドナ-リンパ球輸注による再発予防効果) 急性リンパ性白血病への移植後再発に対する治療的ドナ-リンパ球輸注(DLI)の効果は満足できるものではありません。 そこで、予防的DLIの再発予防効果を検討しました。 同種移植を受けた急性リンパ性白血病85例中、26例がDLIを受けました。 DLI対象例は移植後に感染・再発・移植片対宿主病(GVHD)合併がなく同意が得られた完全キメリズム12例、混合キメリズムの14例です。 最初のDLI施行は移植後から中央値112日目(29日から324日の間)でした。 結果:DLIによる急性及び慢性GVHD合併例は18例、69%。その18例中、寛解生存例は13名、GVHDなしの8例中、寛解生存率は3名。これがGVL効果と考えられます。 結論:予防的DLIによる完全キメラの達成とその後の寛解維持は高く再発予防に有用ですが、GVHD頻度が高いことから慎重な症例選択が必要です。 コメント:予防的DLIによるGVL効果が確認できEBM198と同様の報告です。 文献:Lutz C et al. A pilot study of prophylactic donor lymphocyte infusion to prevent relapse in adult acute lymphoblastic leukemias after allogeneic hematopoietic stem cell transplantation. Bone Marrow Transplant 2008;41: 805-812 |