EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(198)

Chronic GVHD following CBT
(さい帯血移植によるGVL効果)

 2001年から2005年のさい帯血移植77例の報告。
 患者年齢中央値は42歳(range:18歳から67歳)。
 血縁ドナ-と骨髄バンクドナ-に適合者が見つからなかった症例に対して、さい帯血移植を施行。 
 移植後100日以上生存した29例について
  ①さい帯血移植における慢性GVHDの特徴
  ②慢性GVHDが生存率に及ぼす効果の2点について解析。
   結果:①慢性移植片対宿主病(GVHD)頻度は24%で日本人におけるHLA一致の骨髄移植における既報の頻度として知られている約45%よりも低い結果でした。 下図には慢性GVHD合併した7例とGVHD無しの22例を生存率で比較しています。
     ②3年EFSは慢性GVHD合併群が非合併群よりも高い事が示されました(83% vs 36%)。



コメント:さい帯血移植によるGVL効果が証明された名古屋グル-プの報告。

文献:Sugimoto K et al.Clinical characteristics of chronic graft-versus-host disease following umbilical cord blood transplantation for adults. Bone Marrow Transplant, 2008; 41: 729-736.