今週のEBM,ナウ(196)
Better outcome in young patients with
myeloma
(若年の多発性骨髄腫例予後は良好)
「50歳以下の多発性骨髄腫の頻度は?」に答えたのが図1です。
1981年から2002年までの登録は10549例です。
図2では生存年数を年齢と治療方法から比較致しました。
50歳未満の58.8%は従来の化学療法。
41.2%が大量化学療法(自家移植)でした。
50歳以上の76.4%は従来の化学療法、
23.6%が大量化学療法(自家移植)でした。
50歳未満の症例は50歳以上の群と比較して、従来の化学療法でも大量化学療法(自家移植)でも有意に長い生存期間の中央値を示しました(図2)。
10年生存率は50歳未満の従来の化学療法群で19%、
大量化学療法(自家移植)で43%です。
50歳以上の従来の化学療法群は8%、
大量化学療法(自家移植)で29%でした。
従来の化学療法群の生命予後不良の因子は50歳以上という年齢でした。
コメント:疾患が難治性であることを証明した報告。年齢という危険因子を凌駕するような上品な治療法の出現に期待したい。
文献:Ludwig H et al. Myeloma in patients younger than age 50 years presents
with more favorable features and shows better survival: an analysis of
10549 patients from the international myeloma working group. Blood, 2008;
111: 4039-4047. |