EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(195)

Autologous SCT in myeloma
(自家移植前の治療方法と予後)

 診断から12ヵ月以内に自家移植を施行した多発性骨髄腫(MM)472例の報告。
 診断後の化学療法が移植に及ぼす影響を検討しています。
 移植前の化学療法は以下です。
  Dex;dexamethasone単独、
  Thal-Dex、
  サリドマイドとdexamethasone併用、
  VAD、
  vincristine,adriamycine, dexamethasone併用、
  Len-Dex; lenalidomideとdexamethasone併用。
 移植時の年齢中央値は4群で55歳から60歳。



結果:71.6%が生存し、診断からの生存中央値は37ヵ月、自家移植からの生存中央値は31ヵ月。 4群間比較で移植後から病状進行までの期間に有意差なし。

結論:Thalidomideやlenalidomideの有効性はすでに明らかですが、それが移植成績に反映されず。

コメント:多発性骨髄腫への根本的な治療法開発が望まれます。

文献:Kumar SK et al. Impact of pre-transplant therapy in patients with newly diagnosed myeloma undergoing autologous SCT. Bone Marrow Transplant 2008 41:1013-1019.